mi du ri

Art Direction / Design

mi du ri

制作概要

沖縄が遠い地だった私たちは、今帰仁村という見知らぬ地にオープンする一棟貸しのヴィラを沖縄素人という最もピュアな視点で捉えることから始まった。

そもそも沖縄は日本に統治される前の琉球王国時代の歴史が長い。本土と同じひらがなを扱うが全く違う扱い方で単語で見ると、日本語からすると難読であったり、miduriの近くにある今帰仁城跡から出土するものはベトナム、中国、朝鮮などの東南アジアの陶器が多く出土したり、いわゆる日本文化とは違う歴史文化を持っていることが分かる。さらに緯度経度で見ても熱帯地域に分類され、本土では見ることのできない多種多様な植物生物が生息していることも沖縄特有である。ピュアな視点で捉えた沖縄今帰仁村のアイデンティティは、単なる海やリゾートというだけでなく、むしろ琉球の奥にある揺らぐことのない歴史、鬱蒼と成長するやんばるの密林の生命力こそアイデンティティになりうると考え、圧倒的な時間軸と自然に身を置きながら自らの生命力を取り戻すことをこのヴィラの在り方と定義した。

ビジュアルアイデンティティは圧倒的な時間軸と自然を身体に叩き込ませ、沖縄の言語のルーツでもある平仮名を用いて何度も「みどぅり」を描く事で、最終的には静と動の線だけが形として残った。miduriも今帰仁城跡が残るように、もしかするとコンクリートだけが自然の中にぽつんと残るのかもしれない。そんな時のことを思って、掘り起こされた時にも違和感のない、沖縄ルーツの平仮名と揺らぐことのない琉球の歴史と自然、時間をテーマに据えた。VIに呼応するように制作したオリジナルのタイポグラフィ通称miduri fontは、漢字が崩れて生まれたとされるひらがなの生い立ちから解釈を拡張させ、各英語を崩した時に生まれるトメ、ハライを英文字に落とし込んだ。

文字とは情報伝達のためのツールであり、意匠性を加えるものではない。だからといって何もしないことは正解ではない。この場所から何千年後かに掘り起こされたとしても、違和感のないものこそ、この場所で使うべき文字でありデザインである。