Heima
Art Direction / Design

制作概要
初めて訪れたのは1年ほど前のこと。それからふとした時に、窓から見た瀬戸内海のゆったりとした波や雲が抜けて山並みが見える景色を思い出して、背伸びした自分に気づいて地に足がつく。その日の出来事は日常の延長で特別ではない。窓から見える瀬戸内海の景色をスケッチに収めてみようと思って、紙とペンを持ってソファに腰掛けて、地平線と山並みを描き、波を描こうとしたけれど、描こうとした景色は顔を見上げればそのにはもう同じ景色はなかった。そうして初めて自然は動いているという当たり前のことに気付く。そんなこと知ってるよと自分でも思っていたけれど、いざ当たり前を目の当たりにして初めて無知を知って、それを知れたことがなんだか心地よくて、これで良かったんだと今を喜べる。
ささやかなことに気付いた後の日常は劇的に変化する訳ではない。家に帰れば仕事の日々であるが、それからというものふとした拍子に自然が動いているということを思い出させてくれる。
一日一組のお宿。故郷を意味するその名の通り、泊まる場所というより帰る場所という方がしっくりくる。特別なことは一切ない。誰の心にもきっとある故郷の記憶と、ここにあるごくごく小さく当たり前な幸せをいつの日かまた思い出せるように。むやみに主張するものではなく、記憶の奥の奥でふとした時に思い出せるものを形にした。









